あおによしSTORY〜その8〜

あおによし～にじいろおんがくかい～

『人生が旅ならば、そう、いつかのあの分かれ道…あそこを右ではなく、もし左に進んでいたとしたら、今頃自分はどこで何をしていたんだろう。』

子どもの頃、そんなことを本気で考えていたことがありました。

そう考える度に、道を「選択」する行為そのものがだんだん恐ろしいことのように思えてきて、『この道は、果たして本当に進むべき道なのだろうか…』と、しょっちゅう足を止めては、臆病をこじらせていました。

そんな時、ある人が僕にこんな言葉をかけてくれたのですが、今思えばそれは、旅が愉しくなるような、魔法じかけの言葉でした。

『結局、道というのはどう進んだって、逢うべき何かに、逢いたい誰かにつながっているのだと思う。

心を込めて歩いていさえいればきっと、いつか必ず出逢うもの。』

その言葉をもらってからは、とりあえず道を進んでみることにしました。

とんでもないデコボコ道を歩くこともありましたし、時には『これは道と呼べるだろうか…』というほど荒れた足元に四苦八苦もしました。

しかしそれらの道はやがて、心の底から大好きだと思える人や景色や音楽へと、本当につながっていたんです。

とにかく不恰好でも心を込めて歩いたその道が、想像もできないような素晴らしい出逢いをもたらしてくれました。

そんなこんなで、今ではどこかに行き着くことよりも、その道のりこそが大切だと思えるくらいに、歩くことを愉しんでいます。

思えば、この企画に力を貸して下さっている方々は、出逢いを大切にされている人ばかりで、【感謝】と【思いやり】という名の方位磁石を持つ、いわば、旅の達人です。

そんな皆さんのお陰で《あおによし～にじいろおんがくかい～》は、今日まで優しくて不思議なくらいあたたかい雰囲気の中、準備を進めることができました。

唯一の誤算は、発案者が余りにも心許なく頼りのない人物だということですが、それに伴う足りない部分はどうかご愛敬ということで、この旅を最後まで一緒に楽しんで頂けたらと願っております。

いよいよ明日となりました、皆様、どうぞ宜しくお願い致します

なが～い話ーその８ーby Daichi Minemoto