《あおによし》
2月24日[月.祝]14時~開演
【場所:ならまちセンター】
「奈良町センターのホールにて、素敵な演奏家の皆さんとコンサートを!」というのは前回書かせて頂いたわけなのですが、今回はこの演奏会の《題名》についてです。
僕がここ(奈良町)に住んでから間もなく起きた衝撃的な出来事、それは作家の寮美千子先生との出会いでした。
ある日、餅飯殿センター街を歩いていたら、歌にのせてとても美しい詩が聴こえてきました。
その中でも「~びるしゃなも旅をしにけり ちはやぶる神々の地へ~」という言葉が心のフィルターに引っ掛かって、「あの大仏様でさえ旅をして来られたのか…」と浅学の身ながら、壮大な旅への思いを巡らせておりました。
そんなこともあって「すぐにこの楽譜が欲しい」と、ネットで検索…すると『ならまち通信社』で販売されていることがわかりました
早速お電話すると、女性の方が出られて「近くなので直接お渡ししますね」とのこと
そして待ち合わせ場所にご指定くださったのはなんと…何故かご近所の酒屋さんでした笑
直接頂くことに少し疑問を感じながらも、とにかく待ち合わせ時間までに遅れないようにと自転車を走らせて到着…すると暫くしてから、お電話を受けて下さったであろう女性の方が手を振って歩いて来られました
「とりあえず中へ」と、人生初の酒屋さんに通され、緊張で頭が回らなくなった所を更に「この詩を書いた時ね~」とお話しを始めたのでびっくり…そう、実は楽譜を渡しに来て下さったこの方こそが、泉鏡花賞を受賞された程の有名な作家、寮美千子先生でした。
予期せずお会いした有名人を目の前に、頭は真っ白
一通り歌詞についてご丁寧に解説を頂いた後、まさかの「ここで歌って欲しい」という展開になり、酒屋で、ご本人の前で、まだうろ覚えの《あおによし》を歌わせて頂きました
人生何が起きるかわからないとはよく言うけれど「こんな気軽に大事が起きてしまっては命が持たないな…」と思ったことを今でもはっきり覚えています笑
それ以後、寮さん(そのきさくなお人柄から、あえて僕は寮先生とはお呼びしていません笑)の講演会で演奏させて頂いたり、お父様のお葬式で《あおによし》を歌わせて頂いたり、演奏会でお写真を撮影して下さったり、遂には僕についての記事まで毎日新聞(奈良)に執筆して下さったりと、とても貴重な機会をたくさん頂いております
少しお近づきになれて改めて感じたことは、寮さんは経歴以上に素晴らしいお人だということでした。
こんな素敵な巡り合いから、いつかこの町で何か企画をさせて頂くようなことがあったとしたら《あおによし》という題名を付けたいなぁ…と思い続けておりました。
嬉しいことに《アンサンブル・まほろば》の皆さんからはすぐに「いいですね!」とご賛同を頂き、個人的な思いではあるのですが、満を持してこの演奏会の題名を《あおによし》とさせて頂きました
ということで《アンサンブル・まほろば》を乗せた船には、題名の《あおによし》という帆が張られ、いよいよ出港となりました
-なが~い話し、その2- by Daichi Minemoto
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